俺が小学生位の時かなぁ。
俺は片親で母親が出稼ぎに出ちゃってたもんだから、中学生位の間までずっとじいさんばあさんの家で育てられてたのよ。

じいさんばあさんの家はホントにドが付く位の田舎にあってさ。
だから自然だけは沢山在って、俺はよく森の中で虫取りなんかして遊んでた。

その日も確か、昼飯を食った後、蝉を取りに出かけたんだよ。

今考えると、なんだか森に入った時にいつもと空気が違うような気がしたんだよな・・・。
でも、ほぼ毎日行ってた様な森だから、勘だけ頼りに奥まで分け入ってた。

どんだけ進んだろうな。
多分家出てから一時間も足ってなかったと思うんだけど。

突然、目の前に紺碧(こんぺき)の湖が出てきたんだ。

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