これは中学生の時の話です。
その年の夏は、夜になってもじっとりと汗が滲む様な暑い夏でした。

学校の中でじっとしていても、身体から脂っこい汗がちりちりと身体から吹きこぼれる様な毎日。
夏休みの前日、僕と友人五六人は冗談半分に「暑気払いの肝試しをやるぞ」と、言っていました。

「肝試し?どこでやるのさ」

「あそこはどうだよ、お前の家からずっと行ったとこにある墓地は?」

「違う、違う。あそこは無理だ。坊主が夜は門を閉めちまう。もっとあるじゃん、近くに」

「どこさ」

「どこもなにも学校にあるじゃんか。あの・・・・・・ほら」

「飛び下り幽霊!」

「そう、飛び下り幽霊!いっこ上の教室だぜ」

「ちょっと待てよ。あれ、嘘だって聞いたぜ」

「嘘かどうか確かめるんだよ。おめぇ、逃げんなよ!」

学校の怪談、というものが僕の学校にはいくつかありました。
トイレに、体育倉庫に、地下倉庫に。
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