同じバイクで集まってツーリングしようって企画があった。
開催地は千葉県で俺は長野県だったんだけど、同じような企画に参加した友人が「一度はそういうの行っておいた方がいいよ」って言われて、がんばって参加することにした。

埼玉の姉の仮住まいに一泊して、次の日は首都高は埼玉から参加する人に先導してもらった。
まぁ、長野県なんかから参加してるのは自分だけで、皆口を揃えて、よくきたなぁ的なことをいってた。

午後5時頃にそろそろ帰らないと大変だ・・・と思い始め、九十九里あたりから途中離脱した。

行きは首都高の先導もあったから良かったが、帰りは当然一人。
首都高を避けて下道で長野県に着いたころにはもう真夜中の2時を回っていた。

途中から高速を使ってもこんな時間になっちまったのは道に迷ったせい。
で、高速降りて、自宅まであと40kmくらいのところの信号で止まってた。
まぁ、こんな時間で市街地でもないから、当然俺しかいないわけ。

そしたら、20歳くらいの女が5~6人で爆笑してる声がヘルメット越しに聞こえた。
こんな田舎でこんな時間に騒ぐ女なんているのか?周りを見ても誰もいない。
でも走行中にもまた聞こえた。

これはおかしい・・・と思ってバイクを止めてヘルメットを脱いでバイクから降りる。

見渡しても誰もいない。
もしかしたらバイクのギアの音か?
試しにエンジンを止めてみた。

そしたら、俺を囲むようにして女の笑い声!しかも近寄ってくる!
急いでヘルメットをかぶってセルを回す!

かからない・・・。

何でこんなときに!
こんなことならバッテリーとプラグ交換しとくべきだった。

女の笑い声はどんどん近づいてくる。
何かがバイクのタンデムバーを掴んだ感じがしたと同時にエンジンがようやくかかった。

迷うことなく急発進した。
怖くて膝はガクガクで肘も震えてた。

でも発進したとたん笑い声が「きぃやぁああああああああ!」って感じの奇声に変わった。
何が起こってるのかわからなかったけど、この声に負けたら終わりだって気がして、エグザイルの歌をヘルメットの中で大声出しながら歌って対抗してたら自然と聞こえなくなった。

長距離のツーリングで疲れてたのかな?
気づかない間に人でも轢いてしまったのかな・・・そんなことないか・・・。

霊感ないけど今までで一番不思議というか怖い体験でした。