かれこれ20年くらい前の話になるのですが・・・。
当時は肝試しというと、小坪トンネルなんかが流行っててよく行っていたものです。
週末ということもあり、肝試しに来ている人たちも沢山いた。

当時は夜中でも車で中に入れたので、よく外周を走っては満足していた。
時々降りては他のグループと鉢合わせになり、お互いに大声を出してビビッてたものです。

20年くらい前のちょうど今くらいの時期、その日は小雨が降っていて平日ということもあり、自分の車の中には3人残っただけで仲間が帰ってしまった。
どこ行く当てもなかったので八柱に行くことにした。
が、後部座席1人では怖いので、寝てしまっている友達を叩き起こし4人で出発。

八柱に着きいつものように外周を周る。
平日で小雨だからか他に来ている人たちはいなさそうだ。
何回か来てはいたがいつもと違い静かで、小雨がより一層恐怖感を与えていた。

今日は外周だけじゃなくって最も怖いとされていた、『13号地』を探そうということになり外周ではなく中に入っていくことにした。
中をぐるぐる回り舗装されていない道を進んだりしていた。

するとハイビームは届いていないのだが、木の上の方の枝にはっきりと子供が体育座りをしている姿が見えた。
というか、暗いのでシルエットだけなのだが見た瞬間に「子供だ!」と思った・・・。

その子の着ている服や顔はもちろん暗くて見えないのだが、「目」だけははっきりと見える。
しかもその子と目と目が合っている・・・何か笑っているかのような目だ・・・。

周りの友達に分からないように黙って通り過ぎようとした。
そして、その子のいる大きな木に差し掛かってときに、急に涙が出てきた。
それも漫画みたいな洪水のような、まさに号泣。

後席の左側のやつが「あれっ、ここじゃん、13号地って!」と・・・。
助手席のやつが振り向きながら「どうする?降りる?」と話し掛けてきた。
が、号泣している自分の姿を見て「どうしたのか?」聞いてくる。

車の中がちょっとパニクッてきたので、「出たら話す」とだけ話し引き返すことにした。
『13号地』を抜けたら嘘のように「ピタッ」と涙が止まった・・・。

急いで八柱を後にするも車の中は「シーン」としたままだった。
自分でも八柱の近くだと話すのが怖かったので、離れてから事の起こりを話した。
それ以来、八柱霊園には近づかなくなったのでした。