錦糸町近辺のとある古い4階建て雑居ビルの4階に私の会社はあった。
当時(数十年前)流行のファーストフードのフランチャイザー(つまり本社側ですわね)の店舗開発で働いていた。
当時は残業も何も深夜まで仕事してるのが当たり前のバブル。
会社立ち上げたばかりで皆忙しく働いていた。

夜も十時を過ぎた頃。
私と2歳上の在庫管理の女性が二人で残り仕事をしていた。

1F:設計会社
2F:ビルの事務所
3F:催事場(つまり空きスペース)トイレ
4F:ウチの会社

4Fにトイレはなく、3Fに行くわけです。
暗い階段を降りて・・・。

11時ごろでしょうか、トイレに行ってくるとその女性に言って3Fのトイレで用を足していた時のことでした。
4Fで突然数人の足音が入り乱れ、バタバタと歩き回り、くぐもるような話し声もしだしたんです。
それも数分間続いたのでした。

小さいビルですが、ビル内には二人しかいなかったんです。
ケツ丸出しの私は「あれっ、だれか戻ってきたのかな?」などと考えつつ少しの焦りと共に4Fの部屋に戻ってみると・・・。

彼女は一人でいつものデスクで仕事をしておりました。

「Sさん、今歩いてた?」

「エッ!私ここから動いていないけど何か・・・?」

今の幻聴のような体験を話すと、地元である彼女はこんな話しをしてくれました。

この建物のあるところは、戦時中焼け残り、大空襲で焼き討ち同然で逃げ惑った人がそこの川に逃れ水も熱くてばたばたと死んでいったところ。
その大人数の死体をこのビルに一旦収容した、という話しを聞いたことがあるという話だった。。
だから「そんなこともあるかもねー」とこともなげに言うのでした。

今もそのビルあるよ。
三つ目通り14号線側にね。
思い出すとゾクゾクするが。