僕が小さい頃の話です。
我が家にはモナリザの絵のレプリカがありました。
その絵が2階の踊り場に飾ってあるんですよ。

皆さんご存知だと思いますがジーッと見られている感じがする絵です。
はっきり言って気味が悪い・・・。
でも、僕の部屋はモナリザの絵の前を通らないと行けないんですよ。
だから毎日気味悪いと思いながら部屋に戻っていました。

ある日、僕は高熱を出し両親の部屋で寝ていた時、多分夜の8時くらいだったと思いますが、体が暑くて、突然目が覚めてしまいました。
目が覚めているはずなのに体が動かない・・・金縛りでした。
しかもなんかヤバイ感じしてると思った次の瞬間・・・両親の部屋のドアが『スーーッ』と開いてモナリザがこっちに来るんです・・・。

これはヤバイ助けて誰か・・・と頭の中で叫んでも体が動かない。
どんどんこっちに近づいて来る・・・。

そして顔がはっきり見えるまで近づいた時・・・ハッっと目が覚めて・・・夢だった。
しかし・・・目が覚めた僕は・・・怖くて泣き崩れました。
それは、両親の部屋で寝てたはずの僕が居た所はモナリザの絵の前だったからです。

次は僕が17歳くらいの高校生の時の話。
その頃僕は原付き登校が許可されている高校に通っていました。
だから学校終わったら何処でも行けるんです。

街に行ったり、友達の家に行ったり、心霊スポット行ったり、毎日遊んで深夜の2時とか3時に帰る事が少しずつ増えはじめました。

僕は、潔癖症(けっぺきしょう)でお風呂に入ってない時は絶対自分の部屋のベッドには寝ないんです。
汚れた体でベッドに寝るとベッドまで汚れる気がして・・・だから1階のある部屋で寝ていました。

ある日の夜の事、いつものように深夜2時30分くらいに帰ってきて、1階にある部屋で寝ようと準備をし、朝シャワーしよーと思いながら布団に入りいつの間にか寝てました。

それから何時間たったのか、ハッと目が覚めたんです。
何時だろ・・・あれ・・・また何か嫌な感じ・・・また金縛りです。
・・・でも今回はいつもと違う・・・。

だって体が動かないだけで何も起こらないんです。
ずーっと体が動かない・・・でも何か怖い・・・動け・・・夢だ絶対ゆめ・・・。

ハッと目が覚めた・・・やっぱ夢だったか、よかった・・・んっ・・・あれ・・・また体が動かない・・・。

今夢から覚めたはずなのに。
夢の夢?意味分からない・・・怖い・・・これも夢?

そして・・・また目が覚めた時、もう夢か現実か意味が分からない状態でした。

「夢の夢か・・・怖いなー」

そう思った時・・・「ねぇねぇ、たかお」と声が。

「えっ誰?」

名前を呼ばれた次の瞬間、自分の視界の左上から、女の顔が『スー・・・』ッと入ってきたんです。
あまりにもびっくりしたから・・・一瞬でその夢からも覚めました。
しかし・・・その夢から覚めた時、かぶっていた布団がサーーッと下に引っ張られたんです。

残念な事に、引っ張られた時は夢ではなかった。
怖い・・・。

だって、あの女の顔は、モナリザだったから。

そして、昔高熱を出した時の事を思い出しました。
何でまたモナリザ?
しかも夢の中の夢の更に夢って・・・。

次の日、親にモナリザの夢の事を話したんです。
そして・・・親の話しを聞いた僕は・・・しばらく言葉を失いました。

自分「・・・って夢みてんて」

親「そうなんや-」

自分「てか、あのモナリザの絵って何処いったん?」

親「わからん-忘れた」

僕の小さい頃に2階に飾ってあったモナリザの絵の前は、いつからかタンスなどが置かれ洋服でいっぱいになっていました。
どのタイミングでモナリザの絵が移動されたのか僕には分りませんが、今は飾ってありません。

親「あんた最近寝てる部屋、古い置物とかあるし、そこにモナリザあるんちゃう?」

自分「・・・・・」

僕はそのまましばらく言葉を失いました。
僕はどうしても気になり、その部屋に向かったんです。
恐る恐る探しました・・・・・・。

やっぱり・・・ここにいたんだ。

その部屋の隅にあった箱の中からホコリをかぶったモナリザの絵が出てきました。

僕は、知らず知らずのうちにモナリザと一緒な部屋で寝ていたんです。
それに気づいてほしくて、変な夢や夜中の女の謎の声、布団引っ張ったりされたんです。

その日からこの絵には、本当に何かあると思い、本当に怖くなってその部屋で寝る事やその箱を開ける事はしなくなりました。

この事を友達に話をしたりすると変な事が起きるんです。
話をした後すぐに撮った写メで変なものが撮れたり・・・とにかく変な事が起きるのです。