うちの実家は東北の田舎なんだけど旧暦の正月に『ささら』っていう祭が有る。
祭事に詳しい人なら地区まで特定できそうだから明記はしないけど、そんくらい田舎だって話。

俺はガキの頃に屋根裏部屋とか物置とか探検するの好きだったと記憶している。
居間の隣に襖(ふすま)を隔てて、親戚が集まった時に宴会する様な応接間(?)が有り、その隣に仏壇や昔の調度品、旧家によく有る母親の子供の頃に買った人形とか母の兄弟の五月人形とかが、うっすら埃(ほこり)被って置かれてる様な部屋があった。
その部屋の押入れの奥に、小部屋が有るんだ。

もう何年も昔に、母方の親が相次いで亡くなって家を手放す時に俺の母の兄である叔父から聞いた話では、そんな感じの部屋ってのは、この辺の部落の旧家には何箇所か有って、その昔『夜這い』の風習とかが残ってる頃の名残だという。
戦前から子不足に悩んでた付近の住民が、あの小部屋で密会して、なんとか子供を増やそうとしていたらしい。

そんな中、ある家系に池沼の娘ばかり生まれる様になって、(近親相姦の障害?)近くの神社の家が「これは祟りだ」とか言い出した。

それで娘を引き取って、巫女として養ってたらしいんだが、戦後の貧しさから、その池沼の姉妹達に客取らせて金貰ってたんだと。
その売春に使われてたのが例の小部屋。

神主は祈祷(きとう)だと言って、夜な夜な巫女を旧家に行かせる。
その家の人間は巫女を小部屋に通し、順に客を招きいれて相手をさせて金を取り、その幾らかが神主の所に入る事になる。

『ささら』ってのは、その巫女がみごもった水子を慰める意味も有るらしい。
叔父は、「俺はこの事を、自分の息子には話さない。俺はここから離れるし、お前の母親も嫁にいった。事実上、この土地で○○(苗字)の家を継ぐのはお前になるから話すんだ」って、酒に酔いながら言ってた。

叔父も子供の頃に巫女が客取ってるとこ盗み見た事が有るから、「その頃はまだ、分家した家系に池沼の娘が生まれてたんだろう」との事。

ちなみにその部落の神社は、叔父が中学出る前に火事で無くなって、その家がどうなったかは知らんのだと。